DPPⅣ酵素の重要性
DPPⅣ(Dipeptidyl Peptidase-4)はグルテンやカゼインを分解する酵素であるため栄養療法では消化酵素剤としてサプリメンテーションします。
しかし、この酵素はグルテンやカゼインを分解するだけではありません。以下のペプチドを活性または不活性(分解)する働きもあります。
・ペプチドYY
・ニューロペプチドY
・膵臓ポリペプチド
・エンテロスタチン
・サブスタンス-P
・成長ホルモン分泌促進因子
・プロカルシトニン
・GIP
・グルカゴン様ペプチド1
・グルカゴン様ペプチド2
・PHM(Peptide histidine methionine)
・インターロイキン1β、2、3、5、8、10、11、13
・ブラジキニン
DPPⅣ酵素は行動と生理機能、空腹感、のどの渇き、消化機能、食欲、成長、痛覚と触覚知覚、真菌類の抑制、全般的な免疫機能、カルシウム代謝などの影響があるペプチドを調節しています。
*特定の音に敏感である場合や、消化管の痛みを訴える自閉症のお子さんなどでは、DPPⅣ酵素に問題がある場合があります。
*ニューロペプチドYがDDPⅣ酵素によって分解され遊離したN末端ジペプチドはカンジダ破壊作用を持っています。このことから、DPPⅣ酵素の問題によりカンジダ増殖が起きる可能性も考えられます。
DPPⅣ酵素は、カゼイン(カソモルフィン)やグルテン(グリアドルフィン)を分解しますが、カソモルフィン・グラドルフィンがDPPⅣ酵素に分解された結果生じる、プロリンを真ん中に持ったペプチド(gly-pro-ileおよびgln-pro-phe)は、DPPⅣ酵素を抑制します。
つまり、小麦や乳製品を摂取していった場合に、その分解産物によってDPPⅣ酵素が抑制されてしまうということになります。
DPPⅣ酵素が抑制された結果としてサブスタンス−Pが異常に蓄積するかもしれません。サブスタンス-Pは、脳と神経系の神経伝達物質であり、痛みの情報を伝達する際の仲介役を果たしています。
サブスタンス−Pの分解抑制は、痛覚刺激作用を長引かせます。そのため、自閉症児に見られる特定の音に対する極端な感受性を持ったり、消化管の痛みを訴えるなどの症状が出る可能性があります。
DPPⅣ酵素が抑制された結果として、カソモルフィン・グリアドルフィンの作用が助長します。
これらのペプチドは側頭葉(言語・聴覚を統合する働きをもつ)で反応作用することがわかっています。モルヒネ受容体に結合し、モルヒネ様作用(麻薬性作用)を起こす原因になります。
それだけでなく、体の様々な生理機能を低下させてしまうことになるのです。
ゼラチンの加水分解から遊離するペプチドのなかには、3番目のアミノ酸にプロリンを、またトリペプチドの2番目にプロリンを持つため、加水分解されたゼラチンはDPPⅣ酵素の抑制因子になる可能性が大きいです。加水分解されたゼラチンはMMRワクチンやDPTワクチンに含まれています。*現在ではゼラチンを含まないワクチンが主流です。
GFCFダイエットとともに、DPPⅣ酵素をサポートする事が望まれます。
・TriEnza with DPPⅣ Activity(Huston Enzymes)
・AHCY/SHMT iron related Bacterial issues(Holistic Health)
・Gluten/Dairy Digest(Pure encapsulations)
ペプチド検査の実施により、カソモルフィン・グリアドルフィンを確認できます。注意)この検査は、GFCFダイエット実施前に行って下さい。
*グルテンに関する感受性には、酵素の問題、抗体の問題の他に、遺伝性の問題(セリアック病以外にも)があります。
このことは4月2日のARPウェビナーでお話しいたします。
4月2日は自閉症啓発デーでもあり、無料でウェビナーを行います。
ぜひお気軽にご登録ください。
4月のウェビナー登録はこちらから↓
https://attendee.gotowebinar.com/register/1074416746755975426